ただいま浅草公会堂で上演中の新春浅草歌舞伎!
お正月の浅草で長年愛されている恒例の興行です。
松也さんを中心とする20~30代の方々が古典歌舞伎の名作に挑むという、
歌舞伎界の青春を感じるまぶしい公演であります。
第二部「絵本太功記 尼ヶ崎閑居の場」は比較的上演頻度の高い名作として知られ、
歌昇さんが吉右衛門さんの指導のもと武智光秀の役をお勤めになります。
ひとつまとめてみますので、芝居見物のお役に立てればうれしく思います!
歌舞伎の光秀とは
いよいよ来週から始まる今年の大河ドラマ「麒麟がくる」は明智光秀が主人公!
本能寺の変で主君を裏切った反逆者として伝わる明智光秀の、
知られざる生涯を人気俳優の長谷川博己さんがお勤めになります。
歌舞伎界からは愛之助さんがご出演になり、海老蔵さんがナレーションをお勤めになることでも注目のドラマです!
歌舞伎において本能寺の変を起こした光秀の姿を描いているのが絵本太功記。
「尼ヶ崎閑居の場」では、主君を裏切るという光秀の大罪に苦悩する家族の悲劇が、
重厚感たっぷりに描かれます。
また絵本太功記は、
もともと人形浄瑠璃のために書かれ歌舞伎に移された、
義太夫狂言と呼ばれる演目のひとつ。
舞台向かって右手の「床」と呼ばれる場所に座っている
太夫の語りと三味線の演奏にのせてお芝居が進行していきますので、
音楽とともに味わいますとより魅力が深まるかと思います!
ざっくりとしたあらすじ
場面のざっくりとしたあらすじについてお話したのがこちらの回です。
かなり前にお話したものでふざけたノリで書いていたなあと恥じております…
次の上演の際には、改めてしっかりとしたあらすじをお話したいと思います。
史実と違う!役名に注意
歌舞伎や浄瑠璃の演目では、歴史上の出来事をモチーフに作られたものがたくさんあります。
しかしながら、江戸時代には実在の人物を実名で登場させてしまうと
幕府からいろいろとお咎めを受けることがあったために、
名前をいろいろともじってみたりといった工夫が施されております。
絵本太功記においてもそのような措置がとられているので、
一覧にしてご紹介したのがこちらの回です。
なんで太十?
この場面をあらわす「太十(たいじゅう)」という通称があるのですが、
それは一体なぜなのかということについてお話したのがこちらの回です。
秀吉の出世物語
題名には絵本太功記とありますが、
太功記とは秀吉の出世物語「太閤記」からとられたことば。
歌舞伎には太閤記ものとよばれるジャンルがあり、
ちょうど新橋演舞場でもひとつ上演中でありますのでご紹介いたします。
CDで聞ける名演!
さきほど「義太夫狂言」について少しばかりお話いたしました。
少しマニアックなお話にはなりますが、
人形浄瑠璃 文楽の近代の大名人として知られる豊竹山城少掾の
「絵本太功記 尼が崎の段」実演録音CDなるお宝が存在しており、
簡単にご紹介したのがこちらの回です。
ひとたび聞けば魂がわなわな震えるような、非常におすすめの品であります!
もしご興味あらば、お読みいただけるとうれしく思います。