毎週木曜日深夜2:28よりTBS他にて放送されている
アニメ「カブキブ!」
カブキブ!によって歌舞伎に興味を持たれる方が爆発的に増えることを願いまして、
アニメファンの方々に向け各話の内容から歌舞伎の演目などをごくごく簡単にご紹介してゆきたいと思います。
どうぞお手柔らかにお願いいたします(人'v`*)
なお、このブログは諸事情により実際のアニメの画像などを載せられませんので、適宜検索などしていただければ幸いです!
八幕目「月も朧に白魚の……」
いよいよやってきたこち祭(文化祭)当日!
引きこもっていた阿久津も無事合流して、本番の幕が開くと…なんと現代を舞台にした「三人吉三」が始まりますΣ('0'o)
「これはなんだ」と訝しげな蛯原…歌舞伎同好会の公演はどうなってしまうのでしょうか…?
という筋立てでありました。
黒衣に徹する黒悟
この物語の主人公でありながら、どこまでも黒衣に徹する黒悟の姿は潔くかっこよかったですね!
黒に衣と書くと「くろこ」と読みたいところですけれども、「くろご」と読みます。
黒衣は役者の背後に控えて小道具をサッと出したり、いらなくなったものをサッと回収したり、舞台進行の上で重要な役割を担っています。
なぜ黒づくめの衣装を着ているのかといいますと、
歌舞伎の舞台では黒いものは見えないものというルールがあるのです。
お話と関係ない黒い人が丸出しの状態でいるなぁ…と思っても、その方は透明人間なんだと思ってくださいね。難しいかもしれませんが、それがお約束です。
ちなみに国立劇場には、くろごちゃんというかわいいキャラクターがいます!
歌舞伎といえばあの幕
黒悟がこだわっていたという定式幕(じょうしきまく)。
歌舞伎といえばすぐに思い浮かぶ、黒・柿色・萌黄の幕ですね。
幕府から認められていた江戸三座と呼ばれる中村座・森田座・市村座では、それぞれ異なった配色の幕が使われていました。
こちらの記事にも少し書いておりますが、現在歌舞伎座をはじめとするほとんどの劇場で見られるのは森田座の配色であります。
距離感が肝心
本番前、歌舞伎通である先生のお父さんが「遠いところから叫ぶから大向こうっていうんだ」と言っていましたね!
大向こうというのは歌舞伎の舞台のよきところで「○○屋!」と声をかける方のことですけれども、そもそも芝居小屋の一番後方の場所を指す言葉なのだそうです。
昔はここに通が通って掛け声をかけていたことから、声をかける方のこと自体を「大向こう」と呼ぶようになったようです。
現代の歌舞伎座の場合は、3階に大向こうの方がおいでです。
歌舞伎座の3階にお出かけになった時、間近から大きな声が聞こえてもどうぞびっくりなさらないでくださいね(*´艸`)
歌舞伎の定義って?
歌舞伎通である先生のお父さんや歌舞伎役者である蛯原にとっては、
黒悟の描く新しい歌舞伎の世界を受け入れがたい思いも最初はあったようですね。
では一体何をもって歌舞伎とするのか、というのは永遠のテーマであります…。。
新たな試みによって壊されてしまうものもあれば、生まれ出るものもあります。
実際に歌舞伎を愛する人々の間でも、新作歌舞伎などが上演されるたび様々な意見が交わされます。
カブキブ!はこうした難しいテーマについて、一方の視点を押し付けることなく色々な視点を提示しているところが素晴らしいなと思います。
私自身も、なるべく先入観を持たず歌舞伎という看板を掲げたものならば見られる限りは見てみたいなという思いでおります。
新たな試みに驚かされるたび「歌舞伎は伝統芸能であると同時に生きている娯楽なのだな」と再認識でき、歌舞伎愛がより深まってゆくようです(n´v`n)
そんな今回のカブキブ!をご覧になって三人吉三に興味が湧いた方に、ぜひご覧いただきたい映像があります(人'v`*)
シアターコクーンで上演されたコクーン歌舞伎 三人吉三 です。
串田和美さんの演出で描き出される古典歌舞伎の世界。
中村勘九郎さん・中村七之助さん・尾上松也さんが、三人の吉三郎の命をそこに生きているかのように躍動するとても熱い舞台です。
次回は「見かねて中に飛び込むも…」
放送が待ち遠しいですねヽ(。>▽<。)ノ