ただいま歌舞伎座では七月大歌舞伎が上演中です!
第一部で上演されている「三代猿之助四十八撰の内 通し狂言 當世流小栗判官」は、三代目の猿之助(現・猿翁)さんが昭和58年に復活狂言として上演した澤瀉屋ゆかりの演目。今回は当代の猿之助さんが小栗判官を、笑也さんが照手姫をお勤めになっています。
澤瀉屋ゆかりの小栗判官の物語といえば、よりエンターテインメント性の高いスペクタクル作品として「スーパー歌舞伎 オグリ」があります。近年、当代の猿之助さんによる新演出「スーパー歌舞伎Ⅱ 新版 オグリ」が上演されたことで話題を呼びました。
その上演の際、そもそも小栗判官とは何なのか?ということについてお話した回がいくつかあります。ここにひとつまとめてみます。何らかのお役に立てれば幸いです。
そもそも小栗判官って何?
熊野の圧倒的効力を感じさせる小栗判官伝説は、古来より説話や浄瑠璃などを通して広く伝えられてきたものです。しかしながら、現代人にとってはなかなか馴染みの薄い存在ではないかと思います。そこで、そもそも小栗判官というのは一体何者なのか…ということについてお話したのがこちらの回です。
芸能の伝承を担ったプロフェッショナル
この機会にぜひ、小栗判官の物語をひとびとに伝えてきたお仕事の一つである「瞽女(ごぜ)」の方々についてもご紹介したいと思います。
昔の日本には音楽を専業とする盲人の方々が活躍していて、現代に伝わる素晴らしい音楽や物語を数多く伝承してきました。文字通り語り継がれてきた物語は、現代の歌舞伎の舞台の上にもたくさん残されています。
江戸時代は現代とは比べ物にならない不自由さや差別があったことと想像されますが、音楽のプロフェッショナルとしての功績はとても偉大です。現代の我々が江戸時代の人々から学ぶところはとても大きいのではないかと感じます。ぜひご一読いただければ幸いです。