ただいま浅草公会堂で上演中の新春浅草歌舞伎!
新春浅草歌舞伎は、若手花形役者の方々によるお正月恒例の公演。1980年から続く若手登竜門として地域の方々にも愛されています。新型コロナウイルスの感染拡大や補修工事などの影響により、実に三年ぶりとなる開催です!
今回も松也さんを中心とする20~30代の方々が、古典演目の大役に挑まれています。近ごろは若手の方々が新作歌舞伎で華々しくご活躍になる機会も増えていますが、古典への挑戦はそれらとはまた違った味わいがあり、歌舞伎役者の方々の青春を垣間見るような熱気みなぎる公演です。
第二部で上演されている「連獅子」は、特に有名な歌舞伎舞踊です。くまどりの歌舞伎役者が長い毛をぶんぶんと振り回す舞踊といえば、歌舞伎をご覧になったことがない方もご存知なのではないかと思います。
親子の情愛を描いた舞踊のため親子やゆかりのある方同士での共演が多いのですが、今回は松也さんが親獅子の精、莟玉さんが仔獅子の精という珍しい取り合わせです!近年の上演頻度が高く、過去にお話したものがいくつかございますので、ここにひとつまとめてみます。予習復習のお役に立てれば幸いです。
連獅子とは
連獅子(れんじし)は、1872年に東京の村山座で初演された演目。幕末から明治にかけて活躍した名作者河竹黙阿弥の、明治時代の作品です。
赤と白の長い毛をぶんぶんと振り回すようすが非常に有名で、歌舞伎といえば外国の方でもこのようすを思い浮かべるのではないかと思われます。
「獅子の子落とし」の伝説をもとに作られている作品のため、襲名披露などの場面において親子でお勤めになることが多く、近年もかなり高い頻度で上演されています。
ざっくりと内容をつかむ
まずは内容をおおまかに3ブロックでご紹介したのがこちらの回です。
詞章と内容
3ブロックそれぞれの内容と特徴的な詞章をご紹介したのがこちらの回です。
詞章が聞き取れますとより舞踊の世界を楽しめるのではないかと思います!
清涼山の石橋伝説から
「獅子」と聞きますと、やはり思い浮かべるのはライオンではないでしょうか。しかしながら、あの長い毛が表現しているのはネコ科のライオンのたてがみではありません。
ここでいう「獅子(しし)」というのは、中国清涼山の伝説上の生き物のことであります。獅子という生き物とあの長い毛についてお話したのがこちらの回です。