ただいま南座で上演中の
京の年中行事 當る丑歳
吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎
第二部で上演される「熊谷陣屋」は名作として知られ、上演頻度も高い演目ですので、以前にもこちらのブログでお話したものがあります。お話し足りない状態ですがひとまずこちらにまとめてみます。何らかのお役に立てれば幸いです!
今回の上演では、孝太郎さんが新型コロナウイルス感染により休演、そして仁左衛門さんが濃厚接触者認定にて昨日まで休演、また昨日の発表で秀太郎さんが体調不良により当面のあいだ休演、今日の発表で竹三郎さんも同じく体調不良により休演なさるという発表があり、なんだかとても心配でたまらない状況です。
7日から仁左衛門さんはご出演されますが、秀太郎さんと孝太郎さんも竹三郎さんもぜひお元気に復帰なさってほしいと切に願っております。
今やいつどこで感染するかわからぬ状況であり、今後も各地の劇場でこのような不安定な状況になるかもしれません。こうした状況にあって即座に代役として舞台に立つことができるというのも、歌舞伎役者の方々の幼少期よりの鍛錬の賜物であり、ものすごいことであるなと尊敬の念を深めております。どうかみなさま全員がご無事で、この難局を乗り越えていただきたいです。
熊谷陣屋とは
熊谷陣屋(くまがいじんや)は、 一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)という長い物語のうちの名場面。源平合戦の世を舞台とする物語です。
「一枝を伐らば一指を切るべし」というメッセージを主君・義経から託された熊谷次郎直実が、このメッセージを「後白河法皇の子である敦盛を守るために一子を斬るべし」と解釈。忠義のため大切な我が子を失うという戦の世の悲劇であります。
これはごく簡単に流れだけ書いたあらすじですが、もっと詳しくお話すべきことがありますので、また機会を見て改めてお話したいと思います。
お話のルーツ「敦盛最期」
演目の元ネタとしている平家物語の「敦盛最期」の内容をお話したのがこちらの回です。古典の授業で習ったような習っていないようなお話ですが、大人になってから噛みしめてみますと悲しみがより深く染み入るように思われます。
相模と藤の方
「熊谷陣屋」における女形の重要な役どころ2つについてのお話です。
今月は相模を孝太郎さんが、藤の方を秀太郎さんがお勤めになる予定でしたが、現在代役で門之助さんと竹之助さんがお勤めです。
弥平兵衛宗清、待て
一枝を伐らば一指を切るべし
物語の重要アイテムである「一枝を伐らば一指を切るべし」の制札は神戸に実在していまして、それについてお話したのがこちらの回です。