ただいま歌舞伎座で上演中の七月大歌舞伎!
第三部で上演されている「雷神不動北山櫻」は、実に二年ぶりに海老蔵さんが歌舞伎座の舞台に立たれるということで注目を集めています!本当ならば今ごろは既に團十郎を襲名されていたはずでしたがコロナ禍により延期となっております。
「雷神不動北山櫻」は、歌舞伎十八番が3つも入っているという盛りだくさんな演目で、過去に上演された際にいくつかお話したものがあります。古いものゆえ拙い内容でお恥ずかしいのですが、何らかのお役に立てればうれしく思います。
そもそも雷神不動北山桜とは
雷神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)は、1742年(寛保2)1月に大坂は佐渡島座で上演された演目です。
江戸歌舞伎の市川團十郎家の演目でありながら大坂での上演というのは意外に思われますが、これは二代目市川團十郎が初めて大坂へ上った際の特別企画であったためです。そのため初代以来の当たり芸「鳴神」「不動」を盛り込み、当時の上方で流行していたという磁石の不思議を取り入れた「毛抜」も加え、エンタメ性たっぷりに仕上がっています。江戸のスター登場に大坂の人々はさぞや盛り上がったことと思われます。
「毛抜」「鳴神」「不動」はそれぞれが市川家の芸になり、時代が下って七代目團十郎が「歌舞伎十八番」に選出しています。ですので、歌舞伎十八番が3つ入っているというよりは、3つの場面が歌舞伎十八番になったと言った方が正確かもしれません。
雷神不動北山桜
演目の成り立ちや、主に「鳴神」の題材となった伝説などについてお話した回をまとめてご紹介いたします。
毛抜
演目の一部になっている「毛抜」の場面について、お話したのがこれらの回です。
雷神不動北山櫻の中で上演される場合と単独で上演される場合とでは微妙に異なりますのでその点は何卒ご容赦くださいませ。