6月30日(木)から7月31日(日)にかけて、巡業公演として各地の劇場で上演されている令和4年度 松竹歌舞伎舞踊公演
今回は、歌舞伎舞踊の中でも特に有名な作品である「連獅子」が上演されています。くまどりをした歌舞伎役者が長い毛をぶんぶんと振り回す姿は、歌舞伎をご覧になったことのない方でもご存知のことと思います。
「連獅子」は親子の情愛を描いた舞踊で、親子やゆかりのある方同士での共演が多いです。今回は芝翫さんが親獅子の精、ご三男の歌之助さんが仔獅子の精をお勤めになります。数年前の襲名披露の際には、ご長男の橋之助さんとご次男の福之助さんも仔獅子の精をお勤めになり、親獅子1人に仔獅子が3人という珍しいスタイルでの上演でした。今回も、歌之助さんが仔獅子をひとりじめという貴重な舞台です。
「連獅子」は近年とても上演頻度が高くなっていて、過去にお話したものがいくつかございますので、ここにひとつまとめてみます。予習復習のお役に立てれば幸いです。
連獅子とは
連獅子(れんじし)は、1872年に東京の村山座で初演された演目。幕末から明治にかけて活躍した名作者河竹黙阿弥の、明治時代の作品です。
赤と白の長い毛をぶんぶんと振り回すようすが非常に有名で、歌舞伎といえば外国の方でもこのようすを思い浮かべるのではないかと思われます。
「獅子の子落とし」の伝説をもとに作られている作品のため、襲名披露などの場面において親子でお勤めになることが多く、近年もかなり高い頻度で上演されています。
ざっくりと内容をつかむ
まずは内容をおおまかに3ブロックでご紹介したのがこちらの回です。
詞章と内容
3ブロックそれぞれの内容と特徴的な詞章をご紹介したのがこちらの回です。
詞章が聞き取れますとより舞踊の世界を楽しめるのではないかと思います!
清涼山の石橋伝説から
「獅子」と聞きますと、やはり思い浮かべるのはライオンではないでしょうか。しかしながら、あの長い毛が表現しているのはネコ科のライオンのたてがみではありません。
ここでいう「獅子(しし)」というのは、中国清涼山の伝説上の生き物のことであります。獅子という生き物とあの長い毛についてお話したのがこちらの回です。