ただいま東京の国立劇場にて上演中の令和4年11月歌舞伎公演 歌舞伎&落語コラボ忠臣蔵
国立劇場さよなら公演の特別企画として、歌舞伎と落語のコラボという珍しい趣向にて上演されています。江戸寄りの目がヒット作品である「仮名手本忠臣蔵」の名場面と、それにちなんだ落語の名作「中村仲蔵」などを取り合わせての上演です。
今回上演されるのは五段目・六段目ですが、仮名手本忠臣蔵の全体をおさらいしておくとより楽しめるのではないかなと思いました。過去にお話したものがございますので、ここにひとつまとめてみます。芝居見物や配信の際などのお役に立てれば幸いです。
仮名手本忠臣蔵とは
仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)は、元禄年間に起こった赤穂浪士の討ち入り事件を題材とした演目。三大狂言のひとつに数えられる名作です。元は人形浄瑠璃で上演され、歌舞伎にも移されて、270年以上にわたり愛されている日本屈指のメガヒット作品でありますす。
全体のあらすじ
仮名手本忠臣蔵は全部で十一段あるたいへん長い物語です。今回はすべてを把握せずとも十分楽しめますが、仮名手本忠臣蔵は様々に派生している演目ですので把握しておくと何かと便利かと思います。オンライン配信「図夢歌舞伎」の上演の際にお話したものですので少し勝手が違いますが、何かのお役に立てれば幸いです。
中村仲蔵の出世譚
今回は、落語「中村仲蔵」も上演されます。中村仲蔵といえば、仮名手本忠臣蔵 五段目の斧定九郎という役に工夫を凝らし、大出世を遂げたことで有名な江戸の役者です。
そんな中村仲蔵の半生を描いた松井今朝子さんの小説「仲蔵狂乱」についてご紹介したのがこちらの回です。薄暗い芝居小屋のなかで展開する江戸の役者たちの苦しみやよろこびをリアルに体験するかのようで、このすえひろも大好きな小説です。ぜひにとおすすめいたします。
中村仲蔵の斧定九郎
初代中村仲蔵の斧定九郎は、浮世絵にも残されています。パブリックドメイン作品の中に見つけた一枚をご紹介したのがこちらの回です。