ただいま国立劇場で上演中の令和5年6月歌舞伎鑑賞教室「日本振袖始―八岐大蛇と素戔嗚尊―」
歌舞伎鑑賞教室というのは、毎年夏に国立劇場で開催されている解説付きの歌舞伎公演です。わかりやすい演目をお手頃に楽しめる公演で、最初に見る演目にお悩みの方にはぴったりかと思います。
今回の演目「日本振袖始(にほんふりそではじめ)」は、歌舞伎と聞いて多くの方がイメージなさるようなド派手な華やかさを存分に楽しむことができます。お子様や外国の方とのお出かけにも、ぜひにとおすすめいたします!
この演目については、過去にこのブログでお話したものがいくつかございます。古く拙いものが多くお恥ずかしいのですが、ひとつまとめておきます。今回初めてご覧になる方やご覧になった方のお役に立てれば幸いです。
日本振袖始とは
日本振袖始(にほんふりそではじめ)は1718年(享保3)2月に、大坂は竹本座で初演された時代物の人形浄瑠璃です。日本書紀や古事記に登場するヤマタノオロチとスサノオノミコトの伝説をもとにしたもので、作者は有名な近松門左衛門です。
お姫様が危うく恐ろしいヤマタノオロチのいけにえになってしまうところに、ヒーロー・スサノオノミコトがかっこよく参上し成敗…というものです。歌舞伎らしい演出がもりもりと盛り込まれている大変華やかな演目です。8つの頭があるヤマタノオロチを人間が演じるアナログ表現も魅力的です。
概要
ざっくりとしたあらすじ
舞踊劇ですので美しい舞台を見ているだけでも充分に楽しめますが、内容がわかるとひとつひとつの動きの意味が見えてきてよりおもしろいかと思います。日本神話にからんだ物語の前提情報を含め、あらすじを3回に分けてお話したのがこれらの回です。
タイトルの謎
「日本振袖始(にほんふりそではじめ)」というタイトルはなんだか謎めいていますよね。内容を把握してから舞台を見てもよくわからない部分ですが、実はこんな意味がありました。
スサノオノミコトをべろべろに酔わせる奇祭
スサノオノミコトにまつわる秋田県男鹿市の奇祭「統人行事」についてお話した回です。こちらは秋田魁新報の動画ですが、どの動画を見てもスサノオノミコト役の方が相当ぐったりしています。大丈夫でしょうか。奇妙ですが興味深い祭です。
ヤマタノオロチと鉄
ヤマタノオロチの伝説には、スタジオジブリ映画「もののけ姫で」にも登場する「たたら製鉄」が関係しているそうです。昔の人の想像力には圧倒されます。
日本神話の聖地・島根県の神楽
とにかくカッコいい岩見神楽のヤマタノオロチをご紹介したものです。ぜひ生で体験したいと思っていますが、この状況ではいつになるでしょうか…いつか拝見できる日のことを夢見ております!