ただいま国立劇場で上演中の令和3年11月歌舞伎公演 一谷嫩軍記!
「一谷嫩軍記」は数ある歌舞伎の演目の中でも名作として知られるもので、以前にもこちらのブログでお話したものがございます。こちらに一つまとめてみますので、何らかのお役に立つことができれば幸いです。
今回は「御影浜浜辺の場」が50年ぶりに上演されるという貴重な機会です。続く熊谷陣屋の場の出来事がよりわかりやすくなるということで、このすえひろも非常に楽しみにしております!
そもそも熊谷陣屋とは
一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)は、源平合戦の世を舞台にした物語。 中でも屈指の名場面とされる「 熊谷陣屋(くまがいじんや)」を単独で上演することの多い演目です。
「一枝を伐らば一指を切るべし」というメッセージを主君・義経から託された熊谷次郎直実というさむらいが、このメッセージを「後白河法皇の子である敦盛を守るために一子を斬るべし」と解釈。忠義のため大切な我が子を失い、仏の道を選ぶという戦の世の悲劇であります。
ざっくりとしたあらすじ
いきなりご覧になると少し複雑かもしれませんので、まずは「熊谷陣屋」のあらすじをご紹介いたします。
お話のルーツ「敦盛最期」
演目の元ネタとしている平家物語の「敦盛最期」の内容をお話したのがこちらの回です。古典の授業で習ったような習っていないようなお話ですが、大人になってから噛みしめてみますと悲しみがより深く染み入るように思われます。
相模と藤の方
「熊谷陣屋」における女形の重要な役どころ2つについてのお話、今月は相模を孝太郎さんが藤の方を門之助さんがお勤めです。熊谷陣屋において悲しんでいるのは直実だけではありませんで、恋をして長年連れ添い我が子を育てた夫婦の物語でもあります。
弥平兵衛宗清、待て
いきなり出現するおじいさんの秘密についてお話した回です。初見の際、割とナゾな存在ではないでしょうか。
一枝を伐らば一指を切るべし
物語の重要アイテムである「一枝を伐らば一指を切るべし」の制札は神戸に実在していまして、それについてお話したのがこちらの回です。
歌舞伎のお約束「物語」
熊谷陣屋の場面にも登場する「物語」という歌舞伎用語についてお話したのがこちらの回です。他の演目でもしばしば登場するものですので、芝居見物のお役に立つかと思います!
ゆかりの地は埼玉にも
熊谷次郎直実ゆかりの地は埼玉にもあります。お近くの方はいかがでしょうか。
浄瑠璃絵づくしの「一谷嫩軍記」
こちらは江戸時代の出版物の画像の中で発見した「一谷嫩軍記」です。
マニアックになってしまいますがもしご興味お持ちでしたらご一読ください。