歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【2022年3月 国立劇場で上演中!】やさしい盛綱陣屋 まとめ

ただいま国立劇場で上演されている令和4年3月歌舞伎公演「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」!

菊之助さんが、義父の吉右衛門さんゆかりの演目を初役でお勤めになるとあって大変注目の舞台です。上演される「盛綱陣屋」は古典の名作として知られる演目。子役の小四郎・小三郎を、菊之助さんのご子息 丑之助さんと梅枝さんのご子息 大晴さんがお勤めになります。小四郎と小三郎をお勤めになるタイミングというのは非常に限られているのですが、丑之助さんはなんと九月に引き続き二度目の小四郎ということで、なかなか珍しいのではないでしょうか。

盛綱陣屋」については過去にお話したものがございますので、ここにひとつまとめてみます。芝居見物や配信のお役に立てればうれしく思います!

盛綱陣屋とは

盛綱陣屋(もりつなじんや)は、近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた)という全九段にわたる長い物語のうち八段目にあたる名場面です。1769(明和6)年12月に大坂は竹本座にて人形浄瑠璃として上演され、翌年の1770(明和7)年5月には大坂中の芝居にて歌舞伎として上演されました。実に250年以上愛されていることになります。

ざっくりと申しますと、大坂冬の陣において、敵味方に分かれることになった真田信幸・幸村の兄弟を、鎌倉時代の佐々木盛綱・高綱兄弟に置き換えて描いた悲劇です。家族が互いを思いやりながら戦のならいの前に引き裂かれていくようすを描きます。特に高綱の子・小四郎が、計略のためにわが身を犠牲にする健気さが泣かせどころです。

まずは概要

まずは一体どういった背景のあるお話なのかということをざっくりとお話しております。

戦国時代が大好きな方や大河ドラマ「真田丸」をご覧になっていた方にはわかりやすいかと思われます。もちろんそうでない方でも楽しめるはずですのでご安心ください。

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ざっくりとしたあらすじ

初めてご覧になる場合はなかなか複雑な物語の筋を、なるべく簡単にお話したのが以下の回です。

お勤めになる方やいろいろな条件により前後したり変わったりする場合もありますので、ざっと流れだけ掴んでいただければと思います。

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微妙と書いて「みみょう」

盛綱陣屋には、女形の方にとっての大役・三婆の一つである「微妙」が登場します。

歌舞伎の女形にはおいらんやお姫様といった美しく華やかな役どころもたくさんありますが、こうしたおばあさんの役どころもたまらなく味わい深く必見です。

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歌舞伎のお約束

歌舞伎にはさまざまお約束がありますが、盛綱陣屋に登場する象徴的なもの「首実検」についてお話したのがこちらの回です。

いろいろな演目に登場する首実検はお勤めになる方によって型が異なったり、工夫をされていたりする場合がありますので、さまざまな配役で見比べてみるのもおもしろいかと思います。

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加えて、唐突に大きな声で登場する「ご注進」についてもお話いたしました。

戦の途中とはとても思えない、目立って仕方のないきらびやかな出で立ちなどいかにも歌舞伎らしい演出のひとつであります。

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公演の詳細

www.ntj.jac.go.jp


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