歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【2023年12月 南座・吉例顔見世興行で上演中】やさしい双蝶々曲輪日記 角力場 まとめ

ただいま京都祇園四条の南座にて上演中の

京の年中行事 當る辰歳 吉例顔見世興行

市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台と冠された公演です。2022年11月の歌舞伎座から始まった襲名披露公演も、いよいよ南座へ。江戸歌舞伎の大名跡の襲名披露ですので、華やかな南座がますます華やいでいるのだろうとこのすえひろも楽しみにしております。

昼の部で上演されている「双蝶々曲輪日記 角力場」は、先日も歌舞伎座で上演されたばかりで近年上演頻度の高い定番の演目です。過去に上演された際にいくつかお話したものがありますので、ここにひとつまとめてみます。何らかのお役に立てればうれしく思います。

そもそも双蝶々曲輪日記とは

双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)は、1749年に大坂竹本座にて人形浄瑠璃として初演されたお芝居。江戸時代のスター職業のひとつである、おすもうさんが主役であります。

物語に登場する二人のおすもうさん「濡髪五郎」と「放駒吉」の名前からふたつの長の字をとって、「双蝶々(ふたつちょうちょう)」とついています。

物語そのものは全部で九段の長いものですが、今日では人気の場面「角力場」「引窓」がそれぞれ単独で上演されることが多いです。今回の上演は「角力場」のみであります。

角力場」は一言で申せば「ベテラン力士の濡髪長五郎が、御贔屓への義理のため、アマチュア力士の放駒長吉にわざと負ける」という物語です。続く「引窓」では、濡髪長五郎がなんと殺人犯として追われる身となるという驚きの展開が待っています。上演の機会があればぜひご覧になってみてください。

今回はベテラン力士の濡髪長五郎を鴈治郎さん、アマチュア力士の放駒長吉を隼人さん、濡髪の御贔屓の頼りない若旦那・山崎屋与五郎を染五郎さんがお勤めになります。ぐっとお若い配役で、どのような舞台になるか非常に楽しみですね。

ざっくりとしたあらすじ

ざっくりとあらすじをご紹介したのがこちらの回です。上演のタイミングや諸々の事情により内容が前後したり変更されたりする場合がありますのでご了承ください。

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濡髪のモデル 荒石長五郎

濡髪長五郎のモデルとされている実在の力士・荒石長五郎についてお話したのがこちらの回です。

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突けば転びそうな男「つっころばし」

濡髪長五郎の人生を変える若旦那・山崎屋与五郎は、独特の「つっころばし」という役どころです。歌舞伎と聞くと、力強いくまどりを施した人が堂々と登場するイメージが強いかと思いますが、実はなよなよとしたかわいさのある役どころもあります。

なよなよしているからといって、他の登場人物からからかわれたり意地悪されたりするわけではなく、なよなよ感が恋や色気の象徴として表現されているのもおもしろいところではないでしょうか。

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大坂相撲と「摂津名所図会」

江戸時代の大坂における相撲興行について簡単に調べてみたのがこちらの回です。

物語とは直接関係ありませんが、お読みいただくと芝居のイメージがよりくっきりとしてくるかと思います。

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なぜ濡髪は殺人犯に?

後半の「引窓」の場面で、なぜ濡髪は殺人犯として追われる身となっているのか。この事情について明かされるのが「難波裏」の場面です。あまり上演のない場面ですので、気になる方はお読みいただければと思います。

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山崎屋与五郎のその後

濡髪がすべてをかけて尽くそうとするご贔屓・山崎屋与五郎と、その思い人の吾妻はその後どうなるのかといったことをお話したのがこちらの回です。

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元ネタ 吾妻与次兵衛

物語の元ネタになっている、江戸時代にお馴染みであったラブストーリーについてお話したのがこちらの回です。これも知らずとも楽しめる情報ではあるのですが、何かのお役に立つことができれば幸いです。

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公演の詳細

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