ただいま歌舞伎座で上演されている壽 初春大歌舞伎!
2024年の幕開けとなるおめでたい公演です。観光がてら遠方より歌舞伎座へお出かけになる方も多いのではないかと思います。歌舞伎らしい華やかな演目も多いので、初めての方にはおすすめの公演です。
夜の部で上演されている「京鹿子娘道成寺」は、数ある歌舞伎舞踊の中でも名作中の名作として有名で、女形の最高峰といえる演目です。あらゆる恋模様が次から次から展開していき、めくるめくような美しさをひたすら堪能するという演目であります。内容をまじめに考えるというよりは、うっとりと陶酔できるような時間です。
今回は、前半日程を壱太郎さん、後半日程を尾上右近さんがお勤めになります。白拍子花子は女形の大役ですから、お若いうちに歌舞伎座の舞台で一人でお勤めになるというの記念すべきことです。
「京鹿子娘道成寺」については過去にお話したものがございますので、ここにひとつまとめてみます。芝居見物や配信の際などのお役に立てれば幸いです。
そもそも京鹿子娘道成寺とは
京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)は、歌舞伎の女形舞踊の最高峰とされるもの。豪華絢爛に、ときに可憐に、さまざまな恋模様が描き出され、めくるめく美しさのオンパレードで夢心地のひとときを過ごす…という演目であります。
この演目の下敷きになっているのが、紀州の道成寺に伝わる安珍清姫伝説です。
清姫という娘が旅の僧・安珍に惚れてしまったのだが逃げられ、怒り狂って超高速移動をするうちに蛇体となってしまい、安珍が道成寺の鐘に逃げ込んだところを鐘ごと焼いた…というしゃれにならぬ恐ろしさのお話であります。
ざっくりと流れをつかむ
詞章の内容とともに踊りの内容をご紹介したのが以下の回です。内容をご存知なくとも十分に楽しめますが、念頭に置いておきますと役者さんの表現している世界がどんどんおもしろくなるように思います。
演出用語
京鹿子娘道成寺にまつわる歌舞伎の演出用語についてご紹介したのがこちらの回です。道成寺に限らずさまざまな舞踊に使われるものですので、お役に立つかと思います。
道成寺ゆかりの地
安珍清姫伝説ゆかりの地についてご紹介したのがこちらの回です。