ただいま歌舞伎座で上演されている歌舞伎座新開場十周年 團菊祭五月大歌舞伎!
團菊祭とは、明治の名優である九代目市川團十郎と五代目尾上菊五郎の二人の功績を讃えるための興行です。團菊祭は歌舞伎が初めての方でも楽しめる演目の多い公演で、古典歌舞伎を見てみたいなあという方にもうってつけです。
昼の部で上演されている「寿曽我対面」は、曽我兄弟の仇討ちを題材とした演目。数ある歌舞伎演目の中でも大変有名なもののひとつで、華やかな歌舞伎らしさに満ち溢れています。近年の上演頻度が非常に高く、過去にお話したものがいくつもありますので、ここにひとつまとめてみます。芝居見物や配信などのお役に立つことができれば幸いです。
そもそも寿曽我対面とは?
寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)とは、江戸時代に人気を博した「曽我物語」を題材とした演目。単に「対面(たいめん)」とも呼ばれます。歌舞伎で対面といえばこれという演目です。
「曽我物語」は曽我十郎・曽我五郎の兄弟が、周囲の人に助けられながら父の仇・工藤祐経を討つ…というシンプルな仇討ちの物語で、鎌倉時代初期の実話を基にしています。この演目で描かれるのは曽我兄弟が工藤祐経に会う、つまりただ対面するというだけの場面です。ストーリーというよりもシーンといったところです。
まずは前提となる情報についてお話したのがこちらの回です。
ざっくりとしたあらすじ
起承転結のあるストーリーはないのですが、全ての出来事が「みなさんお馴染みのあれ」というように前置きなしで展開していきます。初めてご覧になる場合は謎がたくさん生まれるかと思いますので、前提情報を含めてご紹介したのがこちらの回です。
見ているだけでも充分楽しめる演目なのですが、曽我十郎・五郎兄弟と二人を取り巻く人々について馴染んでおきますと、他の演目を見る時にも大変役に立ちます。
曽我兄弟はその後どうなったのか?
あらゆる演目に登場する有名な曽我兄弟が、その後一体どうなったのかということは、現行のお芝居ではあまり上演されません。兄弟の結末についてお話したのがこちらの回です。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」と曽我兄弟
工藤祐経と曽我兄弟は、昨年放送され話題を呼んでいた大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも登場していました。ドラマを拝見し、演目に絡めて思ったことなどをつらつら述べているのがこちらの回です。ドラマをご覧になっている方にはなにかしら楽しんでいただけるかもしれません。
浮世絵の曽我兄弟
曽我兄弟及び曽我物を演じる役者は浮世絵にもたくさん登場します。広重が手掛けたシリーズをご紹介したのがこちらの回です。
「対面」の場面の前の場面
「対面」の場面は非常に上演頻度が高いのですが、その前の「鶴岡石段」の場面はなかなか上演されません。マニアックなお話でこれをご存知なくとも充分楽しめますが、ご興味をお持ちでしたらぜひご一読ください。
曽我五郎はなぜ超人?
くまどりを施しパワーみなぎる曽我五郎は、超人的ヒーローを表現する「荒事」という様式で演じられます。なぜにそんなに五郎をパワフルに描いたのだろうか?ということについてお話したのがこちらの回です。